大学の講義について(Cours MagistrauxとTravaux dirigés)
フランスの大学の学部(Licence課程)の講義は主に二種類に分かれていて、
Amphiと呼ばれる大講義室で行う全学年を対象としたCours Magistrqux (CM)と、少人数グループに分けてで行うTravaux dirigés (TD)があります。
さらに第7大学では、二つを結合させたJumelé(=双子)という講義も存在します。
大学や学部ごとに事情は多少異なるとは思いますが、一例として紹介したいと思います。
まずCMについては出席は問われず、期末試験のみで評価されます。
週に一度、時間割に沿ってAmphiで講義が行われますが、社会人学生の方などは一度も出席せずに期末試験だけ受けることも可能です。
そのため、月曜の朝8時半からみんなが苦手な統計学なんて組もうもんなら、
L2の生徒数は120人は下らないはずなのに、開始時刻に来ている生徒は10人…なんていう日もありました。
ゆこも朝が苦手ですが、ど文系で前知識ゼロなので、なるべく出席していました。
回を追うごとに生徒数が減る中、8時15分にアンフィに着くとすでに先生はスタンバイ中(;゚Д゚)!
さすがにちょっと気の毒になりましたが、聞いてもよくわからない講義なので、
来ない生徒たちの気持ちも分かります…
ちなみに、午後の授業は100人近く出席しています(´・_・`)
授業形式としては、パワーポイントを使用する先生もいらっしゃいますが、
うちの学部はただ、ひたすら、しゃべる。という先生が多い印象です。
板書するのは固有名詞の綴りや本の題名を示すときのみ。固有名詞さえ口頭で綴る先生もいるので、聞き取りに必死になります(;´Д`A
一方TDは出席必須で3回以上休むと単位が取れないため、多少の遅刻早退をしてでも出席しなければなりません。
私の学年は1クラス25人程度のTDが6クラスあります。
TDでは筆記試験だけでなく出席、参加、プレゼンなども評価の対象になります。
プレゼンと出席のみで評価される科目もありますが、
筆記試験がある場合は各学期の最後の講義の時間内で行います。
先生との距離も近いので質問しやすいのが利点ですが、
プレゼンが必須の科目が多いので、個人的にはとても大変です。
なお、TDの先生はいわゆる大学の教授、助教授(professeur, maître de conférences)
のみならず、博士課程の学生(Doctorant)が担当する場合もあります。
個人的な印象としては、教授クラスになると知識は豊富な反面偏りがあり、
断定形のコメントが多いため意見交換が少なくなりがちだと感じました。
Doctorantが講師を務めるTDの方が学生も気兼ねなく質問&発言できる雰囲気で
学生の立場を考慮して授業や課題に求める内容を明示してくれるため、
抑えるべきポイントがわかりやすいと感じています。
ちなみに、TD、CM両方とも前期は手書きのノートを取っていましたが、
必死すぎてかなり雑な字になる上、文の一部しか聞き取れなかったりするので、
後から読み返しても全く使い物になりません。
そこで、後期はPCでノートを取るように手法を変えてみました。
PCでノートを取ることの利点は、WORDの機能のおかげで、
音だけで書き取った知らない単語も、多少綴りが間違っていても修正案が出るし、
重要な著者名やキーワードを拾ってそこだけ太字にしておけるので、
後から見返した時に多少は使える記録が残ります。
とはいえ、レジュメ等にそって講義を進める先生が少ないため、
講義によっては必死に聞いてもまともなノートが取れず、
実際の試験前の復習にはretranscription(講義音声の書き起こし)グループで
分担して作成しているノートを参考に試験勉強をしています。
フランスの大学は現在春休みですが、来週から講義が再開し、5月には期末試験があります。
試験日程はまだ出ていませんが、ゆこもそろそろ本格的に試験勉強に励みたいと思います。