*31歳からのフランス留学*

2016年秋からフランス留学♪* 留学準備とフランス生活を綴ります

妊婦健診と分業医療

 

前回お伝えした通り、フランスでの妊娠・出産について振り返りたいと思います。

 

まずは、フランスで医療を受けるときに避けては通れない分業制について。

つわりでしんどくても、臨月で体が重くても、入院でもしていない限りは妊婦も自力であちこち出向く必要があります(T ^ T)

もちろん最初は徒歩や公共交通機関で通っていましたが、ゆこはお腹の張りがひどくなった6ヶ月目からタクシーに頼って通院しました(´・_・`)

 

というわけで、妊娠中にお世話になった医療機関をまとめたいと思います。ざっくりと分けると以下の通りです。

 

● 検査関連

血液検査、尿検査、オリモノ検査、子宮がん検診などは専門の検査機関(laboratoire)で行います。なお、検査には処方箋が必要です。

通常、妊娠したかも?と思ったら市販の検査薬で調べて、陽性なら病院に行って詳しい検査を受けると思います。

フランスでもその流れは同じなのですが、産婦人科医の診療室(cabinet)では血液検査も尿検査もできません。エコーを完備しているcabinetも少数派なので、あまり早い段階で産婦人科医(gynécologue)のところに行っても相手にされないようです。

そのため、まずは血液検査結果が必要となります。ゆこは最初の血液検査はかかりつけ医に処方箋をもらってlaboratoire(ラボ)で採血し、陽性の結果を受け取ってから産婦人科医の予約を取りました。 

ちなみに、ゆこが選んだラボは通知がメールで届き、オンラインで検査結果をダウンロードできる仕組みだったのでとても便利でした。

 

⚫︎ 出産する産院

出産のための産科はMaternité と言って、一般的な産婦人科とは別枠です。

Maternitéは公立の大きな病院や私立のクリニック/病院内に設けられており、産みたい所を選んで申し込みます。ただし、受け入れ人数の制限があるため、妊娠したら善は急げ!でMaternitéのinscription が急務です。

ゆこは自宅から一番近い公立の大学病院が救急対応可、ハイリスク妊婦対応可ということもあり、こちらを第一候補として申し込みました。

パリはすぐに予約が埋まってしまうようで、Maternitéの申し込みは妊娠期間のかなり初期に行います。ゆこの選んだN病院では妊娠6週目までに連絡して12週目に受ける検査(第一回エコー検査)の予約を取らなければならず、「まだ心拍の確認もしていないのに?」と戸惑いながらしながら予約したのを覚えています。

 

●月に一度の健診

いわゆる妊婦健診です。フランスでは日本と比べて健診の回数が少なく、正式には8回です。妊娠期間はフランスでは9ヶ月と数えるため、2ヶ月目以降、月に一度の診察(consultation)があることになります。

健診の場所は産院、またはsuivi en villeと言って街の産婦人科医/助産師の個人cabinet で行います。特にリスク要因がない場合、妊娠31週目までsuivi en ville、その後32週目以降(フランス式の33 semaines d’aménorrhée, 8ème mois)は産院にて健診を受けるケースが多いようです。

ゆこは初回検査(12週)時に「健診は産院でもen villeでも、あなたの希望次第です」と言われました。N病院は公立なので医療費がセキュでカバーされ、自己負担なしで健診が受けられます。ただし大きな病院は待ち時間が長く、予約も取りにくいため、疲れてしまうのが欠点です。

悩んだ末に、ゆこは街の産婦人科医を選びました。個人の意見になりますが、選ぶ際のポイントは①エコーの設備があるか、②通いやすい場所にあるか、③予約が取りやすいか、④診察料が許容範囲内か、のバランスだと思います。公立病院と比べると自己負担は増えますが、ゆこの選んだcabinetは一番遅くて19時からの予約枠があり、夫に同行してもらえたので良かったです。

 

⚫︎エコー検査

フランスでは、妊娠中のエコー検査は正式には3回のみです。これは内臓機能などを詳しく確認するもので、フランス式の妊娠週12, 22, 32 semaines d’aménorrhée 頃に受けます。エコーはMaternité併設の検査センター、街のcentre d’échographie、もしくはエコーを所有する個人cabinetで行います。

実はゆこ、ぜんぶ経験しました。1回目はMaternité にて必須検査を受けましたが、待ち時間が4時間もあってグッタリ。そこで2回目は健診でお世話になってる産婦人科医に頼みました。3回目は年末年始が重なったため街のcentre d’echographieを予約したのですが、この時フランスでは珍しい3Dエコーを見せてもらいましたΣ('◉⌓◉’)検査費用は高めでしたが、エコー写真のデータをダウンロードできるURLを送ってくれて、すごく良い記念になりました♪

なお、ゆこはエコーがあるcabinetに通っていたため上記の3回以外にも毎月エコーで赤ちゃんの様子を確認することができました。ただし、毎月の健診の時はエコー写真を印刷してくれたりはしないので、ちらっと画面で見ただけです(*´-`)

 

⚫︎ 産前の出産準備教室

助産師が実施する、いわゆる「母親教室」です。産院で開催する場合もあるようですが、ゆこの産院では実施しておらず、自分で助産師を探して予約を入れました。

内容は初回の個別面談+7回の講座の計8回で、セキュが適用されます。7〜8組同時に行うグループ講座と個人講座から選べたので、夫が聞いた方が良さそうな内容は個人講座をお願いして、一人で聞けそうな内容はグループ講座を受けました。

なお、グループ講座もパートナーの参加が歓迎されており、妊娠中も男性側の参加が当然とされるフランスらしく、毎回数人の旦那さんが参加していたのが印象的でした。

 

⚫︎ 妊娠糖尿病の経過観察

妊娠糖尿病になってしまったゆこは産婦人科医から内分泌科医(糖尿病の専門)を紹介されて、その先生のcabinetに通う羽目に…

ただでさえお腹の張りが多くて辛い妊娠後期に、1箇所訪問先が増えてゲンナリでした´д` ;

なお、妊娠32週以降は産院での健診となり、妊娠糖尿病の経過観察は大学病院の教授による遠隔管理となりました。妊娠糖尿病については次回詳しく書きたいと思います。

 

⚫︎ その他内科系の診察

基本的に妊娠に関わる診察内容以外はかかりつけ医を通さねばならず、持病の薬の処方や予防接種は内科医であるかかりつけ医の元へ通います。

 

⚫︎ 救急

高熱や腹痛などの場合はMaternitéの救急へ行く必要があります。

実はゆこ、突然の腹痛で一度お世話になりました。しかもメトロで急にお腹が痛くなってしまったため、駅員がpompierを呼んでくれて、そのままMaternitéに運び込まれるというお騒がせな出来事に…(*´Д`*)汗

検査の結果大事には至らなかったのですが、一通り検査してもらって安心しました。

 

 

長々と書いてしまいましたが、以上が妊娠中に出向いた医療機関のまとめです。

産後さらに多くの医療関係者にお世話になるのですが、それについてはおいおい書きたいと思います。